※筆者プロフィール:AGA治療1年目/地方の対面AGAクリニックに通院中の30代会社員です。医療従事者ではありません。ここに書くのは、私が自分の生活の中でやめたこと・続けていることの記録です。効果を約束するものではありません。治療の判断は必ず医師にご相談ください。
治療を始めてしばらく経ったころ、こんな迷いが出てきました。
クリニックに通っていれば、あとは何もしなくていいのか
調べると、シャンプーの選び方、洗い方、食事、睡眠、頭皮のマッサージ。やるべきとされることが無限に出てきます。全部やろうとして、逆に疲れました。
この記事では、1年のあいだに私がやめたことと、続けていることを書きます。何が正解かという話ではなく、抱え込みすぎて潰れないための整理です。
最初に:セルフケアは治療の代わりにはならない
ここを曖昧にしたまま始めると、方向を見失います。私の理解はこうです。
自分でできることは、治療の置き換えではありません。 頭皮を必要以上に痛めないこと、生活を極端に崩さないこと。役割はそこまでだと考えています。
逆に言えば、セルフケアを完璧にやったから通院を減らしていい、という話にはなりません。判断が要る部分は医師に渡す。この線引きを最初に決めたことが、いちばん楽になった要因でした。
やめたこと① ネットで見つけた方法を次々試す
始めたばかりのころ、これを一日中やっていました。検索して、良さそうな方法を見つけて、翌日から試す。数日で別の情報が出てきて、乗り換える。
問題は効果ではなく、何を試したのか自分でも分からなくなることでした。同時にいくつも変えると、後から振り返っても何が起きたのか判断できません。
今は、変えるなら一度にひとつだけと決めています。経理の仕事で、複数の要因を同時に動かしたら差異分析ができなくなるのと同じ理屈です。
やめたこと② 抜け毛を数える
枕とお風呂の排水口を毎日確認していた時期があります。数えたところで、日によって差が大きく、そのたび気分が上下するだけでした。
数字が増えた日は一日中それを考え、減った日は安心する。自分の機嫌を、コントロールできないものに預けていた状態です。
やめてから、日々の消耗がはっきり減りました。気になる変化があれば診察のときに伝えればいい。判断してもらう相手がいるのだから、自分で採点する必要はありませんでした。
やめたこと③ 強く洗う
汚れを落とせば良いと思い込んで、指を立ててごしごし洗っていました。爪の跡が残ることもありました。
これは診察のときに聞いて改めた点です。強く洗うことと、清潔にすることは別でした。刺激を与えても得られるものはなく、頭皮を痛めるだけだと理解してからは、力を抜いています。
続けていること① 洗い方をゆっくりにした
変えたのは力加減と順番です。指の腹を使って、時間をかける。すすぎは自分で思っているより長めに取る。
特別な道具は使っていません。やることを増やしたのではなく、雑にやっていたことを丁寧にしただけです。増やすより減らすほうが続きます。
続けていること② 乾かし方を変えた
以前は自然乾燥で放っておくことが多く、髪が濡れたまま寝ることもありました。今は必ず乾かしてから寝ています。
理由は難しい話ではなく、濡れたまま放置すると頭皮が蒸れて気持ちが悪かったからです。体感として不快なことは、続けないほうがいいという単純な判断です。
熱風を至近距離から当て続けないようにだけ気をつけています。ここも、強くすればいいわけではないという同じ話でした。
続けていること③ 睡眠を先に確保する
生活習慣の話は、どこまでやるかで際限がなくなります。食事、運動、飲酒、喫煙。全部を一度に変えようとして、二週間で挫折しました。
そこで、ひとつだけ選ぶことにしました。私が選んだのは睡眠です。理由は、翌日の自分の状態にいちばん露骨に出るからでした。
寝不足の日は、鏡の前での落ち込み方が明らかに違います。頭皮の話というより、悩みとの付き合い方が変わるという意味で、これがいちばん効きました。
続けていること④ 月に一度だけ記録する
毎日撮ると、変化がないことに落ち込みます。だから月に一度に決めました。
場所と時間と明るさを固定して撮り、日付だけ添えて残します。診察のときに見せる材料にもなりますし、自分の記憶より写真のほうが正確だと分かってからは、記憶で判断するのをやめました。
記録の取り方は自分がどのタイプか見分ける手がかりにも書いています。受診前から続けている習慣です。
迷ったときにどう決めているか
新しい方法を目にしたとき、私は三つの問いで判断しています。
- お金がかかるか。 かかるなら、その分を治療の継続に回したほうがいいのではないかを先に考える
- 続けられるか。 一か月で面倒になるものは、最初からやらない
- 迷ったら診察で聞けるか。 次の受診まで待てる程度の話かどうか
三つ目が効きます。定期的に相談できる相手がいることは、それ自体が判断の負担を減らしてくれました。
お金をかけないと決めた理由
専用の製品をそろえたくなる時期がありました。ただ、買い物かごの前で一度手が止まったのです。
治療は続けることが前提です。毎月の支出は決まっていて、そこに上乗せしていくと、いちばん大事な継続そのものが苦しくなります。実際の費用感は毎月いくらかかるかにまとめました。
だから私は、追加の出費が要らない範囲でやることに決めました。洗い方も、乾かし方も、睡眠も、記録も、費用はゼロです。この方針は今のところ後悔していません。
家族に協力してもらっていること
ひとつだけ、自分では完結しない部分があります。頭のてっぺんの写真です。
妻に頼んで撮ってもらっています。最初は頼むこと自体に抵抗がありましたが、打ち明けたあとは普通のお願いになりました。誰にどこまで話すかについては別の記事に書いています。
やめたこと④ 他の人の経過と比べる
体験談を読むこと自体は続けています。やめたのは、そこに書かれた時期や変化を自分の目盛りとして使うことでした。
始めた時点の状態も、年齢も、生活も違います。それなのに「この人はこの時期にこうだった」を基準にすると、自分の経過が遅れているように錯覚してしまう。
今は、他の人の記録は「そういう道もある」という参考にとどめて、自分の目盛りは月に一度の写真と診察に置いています。比べる相手を、他人から過去の自分に変えたという言い方が近いかもしれません。
職場でやっている、ささやかな工夫
会社での過ごし方についても、少しだけ変えたことがあります。
ひとつは、真上から強い照明が当たる場所の鏡を見ないようにしたことです。以前は通るたびに確認して、そのたび気分を落としていました。見なければ落ちようがない。単純ですが、これがよく効きました。
もうひとつは、通院のための時間をあらかじめ予定表に入れてしまうことです。予定として押さえておかないと、忙しい月に真っ先に削られるのが自分の癖でした。理由は書きません。ただ枠を確保しておくだけです。
1年やってみて、思っていたのと違ったこと
始める前に想像していたのは、毎日何かを塗ったり飲んだりする、手間のかかる生活です。
実際は逆で、やることは減りました。数えるのをやめ、渡り歩くのをやめ、比べるのをやめた。残ったのは、丁寧に洗って、乾かして、寝て、月に一度撮るだけです。
もうひとつ意外だったのは、手間より気持ちの置きどころのほうが難しかったことです。何をするかより、どう考えるかで消耗の量が変わりました。この記事の大半が「やめたこと」になっているのも、たぶんそのせいだと思います。
あえて手を出していない領域
やらないと決めているものもあります。誰かにとって悪いという意味ではなく、私が選ばなかったという話として読んでください。
飲むものや器具の類には、今のところ手を出していません。判断の理由は先ほどの三つの問いに戻ります。毎月の支出が増えること、そして自分では良し悪しを見極められないことです。
見極められないものにお金を払い続けるのは、経理の性分として落ち着きません。気になったものがあれば、買う前に診察で聞くようにしています。実際、そこで「必要ないと思います」と言われて助かった場面が何度かありました。
頭皮を強く刺激する類のものも同じ理由で避けています。力を入れて洗うのをやめた話と、根っこは一緒です。刺激を足す方向には行かないと決めておくと、迷う回数そのものが減ります。
まとめ
- 自分でできる範囲は、通院の置き換えではない。頭皮を痛めず、生活を崩さないところまで
- 情報を渡り歩くのをやめた。変えるのは一度にひとつだけ
- 抜けた毛を数える習慣を手放したら、日々の消耗が減った
- 力を入れて洗うことに意味はなかった。清潔さと刺激は別の話
- 増やすのではなく、雑だったことを丁寧にする。そのほうが続く
- 生活習慣は全部を変えず、いちばん効くひとつに絞った。私の場合は眠る時間
- 写真は月に一度。頻度を落としたほうが、かえって変化が見える
- 新しい方法は、費用・継続性・相談できるかの三つで選別している
- 継続を圧迫する出費はしない。続かなければ意味がないため
一年やってみて思うのは、自分でできることの目的は結果を出すことではなかった、ということです。気持ちを消耗させずに治療を続けるための土台づくりでした。そう位置づけてから、ずいぶん肩の力が抜けています。
なお、この記事は個人の体験と考え方をまとめたものです。効果や安全性を保証するものではありません。ご自身に合う方法は、必ず医師にご相談ください。
※通院の時間が取りにくい方へ。オンラインで診療を受けられるクリニックもあります。選択肢のひとつとして、比べる材料にしてください。(PR)